北斗星(10月13日付)

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 たまりにたまった菅義偉前首相に関する新聞記事の切り抜きを、このたびの首相交代を機に整理した。本県出身初の首相誕生から退陣まで1年余り。見出しを流し読みするうち「こんなこともあったな」と薄れかけた記憶がよみがえってきた

▼「支持率66%」で始動した「働く内閣」が直ちに設置したのが行革の目安箱「縦割り110番」。不仲説のあった小池百合子東京都知事とは就任早々に「雪解けのグータッチ」、「学術会議問題」では会員任命拒否で物議を醸し…

▼取捨選択の最中、目に留まったのが国会論戦の記事。2月13日深夜に福島、宮城で震度6強の地震があった際、菅氏は着替えて議員宿舎から官邸へ駆け付けた。所要時間は20分。国会で野党から「なぜ(官邸隣の)公邸に住まないのか」「危機管理上、問題だ」と批判された

▼似た状況が今月7日の深夜に起きた。首都圏で震度5強を観測する地震が発生。菅氏と同様に議員宿舎住まいの岸田文雄首相も官邸に急いだ。同じ轍(てつ)は踏まぬはずと思いきや、かかった時間は35分。随分遅い。危機管理は大丈夫なのか

▼初の所信表明で菅氏は「農業、観光で地方に活力」と「地方」に11回言及した。これに対して岸田氏は6回だった。新政権下で地方再生の取り組みが後退しないか、と気掛かりだ

▼報道の責務と役割を考える新聞週間が15日に始まる。古い記事と現在を照らし合わせるだけで、思わぬ事実や変化に気付くこともある。読み比べの醍醐味(だいごみ)だ。