データで見る秋田の政党勢力 衆院選比例得票率をマップ化

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 衆院選の県内3小選挙区で、与野党候補による一騎打ちが展開されている。県内政党の勢力は近年、どう変化しているのか。2005~17年に行われた5回の衆院選を対象に、比例得票データを分析した。

保守地盤は大仙仙北、横手は09年民主得票率トップ


 政党・市町村別の比例得票率をカラーマップに落とし込み、各党の勢力の推移を可視化した。2009年に大敗し、政権を失った自民は12年以降、全県で支持を拡大してきた。17年の市町村別得票率は大仙市の43・2%が最も高かった。

 都道府県別の得票率と比べると、山口県(48・1%)に続く北陸3県(43・0~43・6%)並みに高い水準。仙北市と美郷町を加えた大仙仙北地域は、過去5回の平均でも得票率上位を占めており、県内一の保守地盤と言える。

地図の見方 市町村別の得票率を色の濃さで表現しました。左上の「▶」をクリックするとチャートが変化します。各市町村にカーソルを合わせるか、クリックすると過去5回の得票率が表示されます。地図の読み込みまで多少時間が掛かることがあります。



 旧民主党は政権交代を果たした2009年、全県で41・5%の得票率を記録した。これは17年の自民(38・2%)を上回り、過去5回の政党別得票率で最高。09年の市町村別は、横手市(46・6%)、大潟村(45・2%)の順に高かった。

 しかし、12年には全県で18・2%へと急落。その後も党勢は回復せず、維新の党との合流(民進党)を経て17年選挙の直前、希望と立憲民主へ分裂。17年の全県得票率は希望が26・1%、立民が13・3%だった。

 希望の得票率は都道府県別で秋田が全国最高だった。3小選挙区全てで公認候補を擁立したことや、由利本荘にかほ地域に強固な地盤を持つ村岡敏英氏が、3区公認で出馬したことなどが影響したとみられる。

安定感示す公明と共産、低迷する社民と維新


 過去5回を通じて得票率の変動が比較的小さいのが、公明と共産だ。

 全県得票率は公明が8・2~10・9%で推移。市町村別では東成瀬村や上小阿仁村といった郡部で支持が厚い。直近17年の東成瀬村の得票率は20・2%に上った。


 共産の過去5回の全県得票率は4・8~7・8%だった。5回平均を市町村別に見ると、三種町と秋田市の7・5%が最も高く、北秋田市が7・3%で続いた。


 社民は鹿角市や大館市で一定の勢力があり、両市で10~20%の得票率を保っていたが、2014年以降は全県的に低迷。17年の全県得票率は2・0%で、05年(8・6%)の四分の一以下に縮小した。


 維新は村岡氏が所属していた12、14年(14年は維新の党)には全県に浸透。12年の得票率は19・7%に上り、民主(18・2%)を上回る支持を集めた。しかし、村岡氏が離れた後の17年は失速した。

野党共闘、17年を基にシミュレーションすると…


 今回の衆院選は立民や共産などの野党が共闘し、各地の選挙区で候補者を一本化。県内でも小選挙区制が導入された1996年以降で初めて、3選挙区とも与野党一騎打ちになった。

 現在と政党や所属議員が異なり単純比較はできないが、野党共闘の勢力を探るため、17年比例得票率を「自民・公明(与党)」と「希望・立民・共産・社民(4野党)」に集計してシミュレーションした。

 市町村別の得票率を比較すると、19市町村で与党が4野党を上回った。ただ、全県では与党48・8%に対し、4野党が47・1%と拮抗。秋田市、横手市、大館市、由利本荘市という人口の多い地域で、いずれも野党側が上回った点が影響した。


 今回の衆院選の県内勢力図を占う上では、野党共闘が得票でも「大きな固まり」になるかどうかが注目される。また、過去5回の選挙で政党得票率に一定の影響を及ぼしてきた村岡氏の不出馬が、どう作用するかもポイントだ。

 今回の衆院選比例東北ブロックには、社民、立民、共産、自民、維新、国民、れいわ、公明、N党の9党が候補者名簿を提出している。

データについて 秋田県選挙管理委員会の「過去の選挙結果」と、国土交通省の「国土数値情報(行政区域)」を基に作成した。①過去5回全ての比例得票データがある②1回でも全県で10%以上の得票率を記録―のいずれかを満たす政党が対象。「民主系」は05~14年は民主、17年は希望と立民の得票データを反映した。得票率は有効投票総数に占める得票数の割合。05年9月時点で未合併の自治体は、現在の市町村に合わせて集計した。

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