社説:第2次岸田内閣 臨時国会、早期召集せよ

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 岸田文雄自民党総裁が特別国会で第101代首相に選出され、自民、公明両党連立の第2次岸田内閣が発足した。与党は先の衆院選で、国会運営を主導できる絶対安定多数を上回る293議席を確保。安定した政権基盤を国民のためにどう生かすかが問われる。

 岸田首相は2021年度補正予算案審議のため、年内に臨時国会を召集する見込み。予算案を待つまでもなく早期に国会を召集すべきだ。従来の新型コロナウイルス対応の検証や今後の対策の在り方など、与野党で論議を深める課題は多いはずだ。

 菅義偉前首相は新型コロナ対応が後手に回ったなどと批判されて支持率が低迷、衆院選直前に岸田首相に交代した。第1次岸田内閣は実働する間もなく総辞職。第1次内閣での岸田首相の在職日数は38日と、戦前も含め史上最短だった。

 第2次内閣の閣僚に、ほぼ同じ顔触れが再任されたのは当然だろう。これからが岸田内閣の正念場と言える。新型コロナ対策で国民の信頼を取り戻すことが、第一の課題となる。

 新型コロナ流行第5波では感染急拡大に伴い、入院できないまま自宅療養中に亡くなる例が相次いだ。医療崩壊と言うべき事態であり、今後、繰り返されることがあってはならない。医療人材や病床の確保など体制拡充、そのための予算的な裏付けを急ぐ必要がある。

 政府、与党は新型コロナ対応などの財政支出を30兆円超とする大型経済対策の策定に向け、検討に入っている。予算編成作業が重要なのは言うまでもないが、並行して国会で論戦を行うことで課題を洗い出すこともできるのではないか。

 6月半ばの通常国会閉会後、野党は憲法53条に基づき臨時国会召集を要求したが、与党は応じなかった。岸田首相を選出した10月の臨時国会では首相の所信表明演説と各党の代表質問を行っただけで、野党が求めた予算委員会は開かれなかった。今回の特別国会の会期も、あすまでの3日間だけだ。

 岸田首相は今月中に補正予算案を策定し、年内に臨時国会を召集して成立させる方針。臨時国会までほぼ半年もの間、本格論戦の場がないようでは、国会および国会議員が役割を果たしていると言えるだろうか。

 新型コロナ経済対策として自公間で焦点となっていた18歳以下の子どもへの10万円相当給付は、自民が主張した所得制限導入に公明が合意した。こうした政策を巡り、予算編成と並行して国会で活発な論戦が始まることを期待したい。

 岸田首相の「成長と分配の好循環」による格差是正策は、分配より成長を重視する姿勢に転じたことにより、安倍・菅政権のアベノミクスとの違いが明らかでなくなった。首相は国会の場で一刻も早く、国民に分かりやすく自らの政策の説明を尽くすべきだ。

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