社説:BB秋田J2残留 来季の飛躍、大いに期待

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 サッカーJ2のブラウブリッツ秋田が来季の残留を決めた。経験豊富なチームを相手に、参入1年目で4試合を残して目標を達成したのは大健闘と言っていい。来季の飛躍につながると期待したい。

 J2は22チームのうち10チームがJ1を経験しており、復帰を目標に戦っている。新型コロナウイルスの影響で昨季のJリーグは降格がなかった。今季は下位4チームが降格。例年より2チーム多く落ちるという厳しいシーズンだ。

 J1に2度昇格した松本は最下位の22位に沈み、昨季5位の北九州は降格ラインの19位。J3から昇格した相模原は20位と苦しんでいる。わずかな勝ち点差が運命を分ける。ブラウブリッツの経営規模がJ2では極めて小さいことを考えると、残留を成し遂げたのはクラブの将来にとって非常に価値がある。

 昨季J3を席巻した「堅守速攻」のスタイルを継続した。開幕戦は敗れたが、栃木、千葉に連勝。現在2位でJ1昇格の可能性が高い京都を5戦目で撃破した。序盤を5勝4分け5敗で乗り切ったのが大きい。3連敗が1度あっただけで、大きく崩れることはなかった。

 コロナ禍で観客の人数制限があるが、リーグは来季の開幕から制限がない形での試合開催を目指している。今季は感染予防のため、スタジアムでの観戦を控えたサポーターが多いだろう。新型コロナの感染が抑えられ、スタジアムがJ2本来の姿に戻れば、今年を大きく上回る経済効果が想定される。クラブ経営拡大のためにも、J3降格だけは何としても避けたかったはずだ。

 ブラウブリッツは総合型地域スポーツクラブの運営に乗り出した。少子化に伴い、県内では学校での運動部活動が難しくなり、存続の危機に直面している地域がある。第1弾として子ども向けのバレーボールクラブを立ち上げたが、将来的にはさまざまな世代を対象とした多様なスポーツ競技を手掛けていくという。

 総合型スポーツクラブの展開は住民の健康を促し、地域貢献につながる。他競技からブラウブリッツのファンを開拓することにもなる。スポーツを通じて形成されるコミュニティーが地域を活性化するかもしれない。

 Jリーグが発足して28年目になる。ブラウブリッツはまだクラブの歴史が浅く、試合の観客動員も多くはない。スポーツ以外でも秋田の魅力を全国に発信し、地域のためにいろいろな活動を続けていくことで、応援する企業やファンが徐々に増えていく。J1のビッグクラブも地道な努力を重ねてきた。

 J1昇格への道のりは容易ではないが、J1とJ2の格差以上にJ2とJ3には大きな差がある。初年度の苦しい戦いを乗り越えた。持ち前の粘り強い守備だけでなく、攻撃力にも磨きをかけて今後に臨んでほしい。

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