社説:祭り復活へ コロナ対策との両立を

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 新型コロナウイルス流行の小康状態が続く中、県内では祭りや伝統行事の再開へ向けた動きが見られるようになった。日常に活気を取り戻す上で、祭りの果たす役割への期待は大きい。感染状況の変化に留意し、対策と両立させながら、祭りの復活へ道筋をつけたい。

 コロナ禍により今年も、県内各地の主立った祭りが相次いで中止となった。8月の秋田竿燈まつり(秋田市)は、4月下旬の段階では会場を八橋運動公園に移して開く方針だったが、感染拡大を受けて5月下旬に2年連続中止の決定に至った。

 7月の土崎港曳山(ひきやま)まつり(同市)、8月の花輪ばやし(鹿角市)と大曲の花火(大仙市)、9月の角館祭りの曳山運行(仙北市)なども続々と中止された。いずれも、実施へ向けた住民の期待は大きかったが、感染が収まらない中ではやむを得ない判断だった。

 だが現在、感染状況は大きく変わった。8月のピーク時には県内でも1日の新規感染者が50人に達していた流行「第5波」は10月には落ち着き、きのうまでは10日連続で新たな感染者の発表がなかった。感染発表なしがこれだけ続くのは、今年2月6日~3月15日以来のことだ。

 こうした中、来年2月の横手市の小正月行事かまくらは、2年ぶりに観光客を迎え入れて実施することが決まった。さらに、湯沢市の犬っこまつりも2年ぶりに通常通り開催することが決まった。

 他の小正月行事についても主催者が今後、開催の可否を判断していくことになる。現在の感染状況が続く限りは同様の判断となる可能性は高いだろう。旅行・宿泊業や飲食業などに携わる人たちにとって、困難な状況から抜け出す後押しとなると期待される。参加者や住民からも支持が得られるのではないか。

 ただ、懸念材料がある。この冬に到来すると予想されている流行「第6波」だ。

 忘年会や新年会のシーズンを迎え、年末年始には首都圏などから多くの帰省客が予想される。会食の機会と人の流れが増えることが、感染拡大のきっかけとなる恐れは否定できない。

 各地の小正月行事の時期に第6波が重なれば、開催方針を再考せざるを得ないケースも出てくるだろう。その場合、どんな対応が考えられるだろうか。

 8月の西馬音内盆踊り(羽後町)は参加者を町内在住者に限定し、無観客で実施した。規模は大幅に縮小したが、踊りの模様を動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信するなど、工夫を重ねた。中止せざるを得ない場合もあるだろうが、中止か例年通りの開催かという二者択一にとらわれる必要はない。

 コロナ禍は間もなく2年となる。対策を徹底しながらコロナと共存する道も探りたい。参加者や規模を限定するなどさまざまな対策を検討し、祭りの復活を模索してほしい。

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