北斗星(11月30日付)

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 三種町で今月初め、イノシシと列車が衝突する事故があった。県内各地で目撃例が増えているイノシシだが、元々本県には生息していなかった。事故はじわじわと生息域が広がっていることを裏付けるようだ

▼県内で初めて捕獲されたのは9年前。昨年度に目撃、捕獲などされたのは計289頭に上った。ニホンジカは117頭だった。どちらの生息域も以前は隣県までで止まっていたが、本県に侵入するのは時間の問題とされていた。近年は農産物被害が多発。県は今月、狩猟禁止の鳥獣保護区でも県猟友会に委託して捕獲を開始した

▼今のところ県内では生息が確認されていないが、隣県で被害が拡大しているのがアライグマだ。北米原産で人気アニメの影響からペットとして輸入されたものが、野生化した。環境省の調査によると、本州では本県以外の全ての都府県に生息。こちらも県境越えは時間の問題なのだろうか

▼県外では農産物被害が急増、行政が十分に対応できないケースも出ている。福岡県では最近、駆除を求める住民に市の担当者が「自分で殺処分して燃えるごみに出して」と答えたとして問題になった

▼批判を受けた担当者は、猟友会員が高齢化し、イノシシとシカの駆除で手いっぱいだったなどと弁明している。住民に殺処分まで求めるのはいかにも無理があるが、それだけ事態が切迫しているとも言えるだろう

▼猟友会員の高齢化などの悩みは本県も同じ。県境を越えて被害が出るのが心配だ。

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