北斗星(12月11日付)

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 ちょんまげといえば江戸時代以前。ざんぎり頭は文明開化の明治時代。パーマやロン毛など多様なのが現代。髪形は時代を反映し、時に自由の象徴にもなる。おしゃれに敏感な女性がファッションとして丸刈りにしても、さして驚かなくなった

▼秋田市の秋田商業高は高校サッカーの伝統校。そのサッカー部が今春、伝統の丸刈りをやめて髪形を自由化した。「丸刈りの時代ではない」「新しい歴史をつくってもいい」。OBの声を受けて数年前から検討してきた

▼自身もOBの小林克(かつ)監督(48)は悩んでいた。丸刈りは嫌だと他校を選ぶ選手もいた。熟慮した末に自由化を決断。部員49人のうち丸刈りは1割に減った。選手たちは自主的に節度を保っているという

▼プロの世界は自由そのものだ。1997年のワールドカップ・フランス大会予選で決勝ゴールを挙げた岡野雅行選手は、長髪を振り乱して疾走し「野人」と呼ばれた。この勝利により日本は初の本大会出場を決め、翌98年の初戦に中田英寿選手は金髪で登場した

▼髪を伸ばした秋田商イレブンは10月の全国高校選手権県大会の決勝でPK戦の末に明桜を撃破。創部73年で全国優勝2度の古豪が新たな歴史を刻んだ。「髪形が変わって弱くなった」とは誰にも言わせなかった

▼走力、粘り強さ、体を張った守備。「髪形が変わってもサッカーに関して変わったことは一切ない」と小林監督。年末に開幕する第100回選手権でも持ち味を存分に発揮してほしい。

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