データで見る若者流出と少子化 止まらない「縮小ループ」

連載:データ読み解き
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昨年公表された2020年国勢調査で、秋田県の5年間の人口減少率は6・2%で、5回連続で全国最大となりました。なぜ秋田は全国の中でも極端に人口が減る地域になったのか。戦後70年間の人口データと今後の将来推計を分析すると「若者流出」と「少子化」という二つの要因が浮かび上がります。(斉藤賢太郎)

チャート①は1950年を起点に、2020年までの70年間で都道府県別の20代人口がどう変化したかを表現したアニメーション地図です。国立社会保障・人口問題研究所の推計値を用い、45年までの将来見通しも反映させました。


赤のグラデーションが1950年に比べ20代人口が増えた地域・時期です。東京圏や関西圏、中京圏といった都市部に偏っています。20年時点では日本列島の大半がグレーに覆われています。25年からの将来推計ではさらに色が濃くなっていき、地方の若者は今後ますます減る見通しです。

秋田県の2020年の20代人口は約6万1千人で、1950年に比べて71・5%減りました。減少率は全国一。また、20年に生まれた赤ちゃんの数は約4500人で、50年に比べ89・5%減。この70年で9割近く減りました。

少子高齢化が全国で最も深刻な秋田は「戦後最も若者が減った県」であり、「戦後最も赤ちゃんが減った県」でもあるのです。

これは若者、特に未婚の女性の県外流出が著しいため、将来の母親候補が減り、生まれてくる赤ちゃんも減るという「縮小ループ」が続いてきたためです。秋田が極端に人口が減る地域になった理由を解く鍵は、ここにあります。

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