北斗星(2月2日付)

 秋田市の前副市長が1月末で退任した。4期目の再任を市議会に提案した市当局の人事案が不同意となったためだ。一つ気になったのは、反対多数という結果になった採決が無記名投票だったことだ

▼秋田市議会では通常、押しボタン式の投票で採決を行う。誰がどんな票を投じたかは一目瞭然だ。だが今回は議員9人から求めがあり、会議規則に従って無記名投票となった

▼無記名での投票という手法は、これまでも行われていたのか。市議会事務局に尋ねると、「過去の事例を見つけられないので分からないが、少なくとも平成以降はなかった」という。やはり極めて珍しい事態だったようだ

▼在任12年にわたった前副市長は、行政全般に精通しているといわれ、市役所内外に知られた存在だった。投票後には、複数の市議から「表立っては反対しづらい。無記名になり意思表示しやすかった」といった本音が聞かれた

▼市当局提出の案件を市議会が否決したのは、下水道会計決算が不認定となった2005年以来、実に17年ぶりだ。久しぶりに議会が真っ向から異を唱えるのに、今回は匿名に頼ったということになる。選挙で市民の負託を受けた立場にしては、いささか腰の引けた姿だったのではないだろうか

▼秋田市政で目下最大の懸案といえば外旭川地区のまちづくり構想だ。取り仕切る立場にあった前副市長の退任によって、その行方は見通しにくくなった。ここで大きな役割を果たすべきは市議会の面々だ。

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