ハタハタよ、どこへ行った? 漁獲量変化「動くグラフ」で

秋田の「県魚」ハタハタが記録的な不漁に見舞われています。2021年の秋田県の漁獲量は約280トン(県の速報値)。1992~94年の禁漁期以降では、3番目に低い水準になりそうです。回復基調に見えた資源に再び暗雲が垂れ込め、漁師からも消費者からも、嘆きが漏れます。ハタハタよ、どこへ行った―?
最盛期は全国シェアの5割超 「箱代より安い」
秋田音頭の「秋田名物 八森ハタハタ 男鹿でオガブリコ ♪」の歌詞に代表されるように、ハタハタは昔から秋田県民に親しまれてきました。魚醤・しょっつるやハタハタずしといった食文化も生まれ、今に受け継がれています。
県広報協会の広報誌「あきた」の1990年6月号に「最盛期には1箱(11キロ)の値段が箱代よりも安くなるほどの豊漁であった」との記述があります。それほどまでに秋田県民の食卓に普及していたハタハタ。最盛期の漁獲量は2万トンを超えていました。
国の海面漁業生産統計で確認できる1956年以降、秋田県の漁獲量が最も多かったのは68年の2万223トン。他の道府県を大きく上回り、全国の漁獲量の5割超を占めていました=チャート①。
しかし、漁獲量は70年代後半に大きく減少。80年代は100トン未満から300トン台の年が続き、90年代前半に3年間、資源回復に向けた禁漁に踏み切りました。その成果もあってか、95年ごろから漁獲量は上向き、2004年には禁漁以降で最高の3258トンを記録しました。ただ増加傾向は長続きせず、2000年代後半に再び減少に転じ、今に至ります。
20年は406トン。全国の漁獲量4853トンの1割を切る水準です。近年は兵庫、鳥取といった西日本の県を下回る年が続いています。チャート②では漁獲量が多い上位10道府県を対象に、過去60年余りの推移を動くグラフで表現しました。秋田の漁獲量の変化の激しさが見て取れます
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