北斗星(2月22日付)

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 フィギュアスケートの15歳の少女は別次元の強さを誇った。他の選手の心を折ることから「絶望」の異名を持つ。だが北京冬季五輪のフリーでミスを連発して4位に沈んだ。泣き崩れる姿はあまりにも痛々しく、衝撃的な映像は今も脳裏から離れない

▼ロシアのカミラ・ワリエワ選手にドーピング検査の陽性反応が発覚した。スポーツ仲裁裁判所(CAS)は16歳未満を理由に「要保護者」であるとして出場を認めた。耳を疑う裁定だった

▼ロシアは2014年ソチ五輪後、組織的なドーピング違反で処分を受けている。今大会には潔白を証明できた選手だけが、個人資格でロシア・オリンピック委員会(ROC)から参加した。「またロシアか」という声が上がるのも仕方がない

▼スポーツのルールは全ての競技者に公平、公正に課される。ドーピングはフェアでなく、スポーツの尊厳を損なう行為だ。ドーピングをしている選手がクリーンな選手と同じ舞台に立つことはできない

▼手段を選ばないロシアの勝利至上主義が浮き彫りになる。CASの判断にも疑問が残る。出場容認は疑惑のヒロインをさらし者にした。「順位は暫定」などと毅然とした態度を取らない国際オリンピック委員会(IOC)も情けない

▼五輪最終日にカーリング女子の日本が銀メダルを獲得した。基本的に審判は介入しない競技である。フェアプレー精神で選手たちが試合を進行させる。笑顔でお互いをたたえ合う姿に救われる思いがした。

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