北斗星(4月3日付)

お気に入りに登録

 2年続きの記録的な大雪に見舞われた横手市。道路脇や田畑にはまだ雪が残る。雄物川地域でコメとスイカをつくる辻田与五郎さん(77)は「昨年より1週間ぐらい雪解けが遅い。春の農作業は遅れそう」と言う

▼辻田さんは漫談師という顔も持ち、「日本初の血液型漫談師」として全国を飛び回る。農繁期は農作業、農閑期は漫談の講演というのが長年の生活のリズムだ。「半農半X」という言葉になぞらえ、自らを「半農半漫談師」と称する

▼半農半Xは暮らしの中に「農」を取り入れ、それぞれが本業とする仕事(X)と両立させる生き方だ。Xに関しては「個性、特技、長所、役割を生かし社会への何らかの貢献を目指すもの」と提唱された。農林漁業のマンパワー確保や移住、田舎暮らしなどと絡めて耳にする機会が増えた

▼カラオケ大会の司会を買って出るほど人前で話すことが好きで始めた漫談。笑いは健康維持に効果があるという。農業を本業としながらも、笑いを届ける講演活動は半農半Xの理念に沿うと言えそうだ

▼コロナ禍の2年余り、講演依頼は激減。講演会を開いてもらおうと、昨年暮れには全国の農協や商工会などにダイレクトメールを千通送った。「種をまけばいつか実る。農業と一緒です」と依頼が舞い込む日を待つ

▼間もなく種もみを発芽させる作業が始まり、スイカ畑の施肥と耕起も控える。講演活動の本格的再開にはまだ時間がかかりそうだが、農業はもうすぐ春作業が本格化する。

辻田与五郎さんに半生を語ってもらいました