地方点描:遊覧船[男鹿支局]

 大きな岩が長い時間をかけて波の浸食でえぐられてできた天然の石橋「大桟橋(だいさんきょう)」に、洞窟の中から見る海が青色に見える「孔雀(こうじゃく)の窟(いわや)」。男鹿半島西海岸には絶景スポットがめじろ押しだ。

 風光明媚(めいび)でダイナミックな西海岸の魅力を存分に味わえるのが、門前漁港発着の遊覧船シービーナス(4・7トン、定員34人)に乗っての「西海岸周遊クルーズ」だ。見どころを紹介する音声ガイドが流れ、船底の窓から海中を見ることもできる。何度乗っても心が洗われる約70分の船旅だ。

 北海道・知床半島沖では、26人を乗せた観光船の遭難事故が起きているが、西海岸周遊クルーズを運航する男鹿遊覧透視船は「絶対に無理をしない運航を心がけている」ときっぱり。

 過去に一度も事故を起こしたことがないという同社は、波高1メートル未満かつ風速8メートル未満でなければ出航しない。これらの条件を満たしても、天気予報と目視による海の状況を踏まえて出航の是非を判断する。それでももし海上で万が一の事態が起きれば、近隣の漁船が救助に協力してくれる体制を構築しているという。

 来月1日の営業開始を前に入念な船体の点検を終え、試験運航も実施済みだ。「いくら乗客がたくさんいたとしても、安全をないがしろにすることはない」と古谷之彦社長。

 いよいよ観光シーズン本番を迎える。遊覧船は男鹿への誘客に重要な役割を果たす。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で大きな打撃を受けているが、これ以上の逆風が吹かないことを願っている。

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