社説:[2022参院選]石井氏3選 活力創出の公約果たせ

 第26回参院選の本県選挙区は、元プロ野球選手で自民現職の石井浩郎氏(58)が3選を果たした。選挙戦で繰り返し唱えた「東京一極集中の是正」との公約実現にどう取り組むかが問われる。人口減を食い止める方策を示し、この先6年で目に見える成果を出すのが責務だ。

 6人が乱立する24年ぶりの混戦。石井氏陣営が対立候補として最も意識したのは元衆院議員で無所属新人の村岡敏英氏(61)=国民民主党推薦=だった。

 石井氏は自民新人候補だった2010年の参院選ではたちあがれ日本(たち日)の推薦を受け初当選した。同じ選挙の比例代表に、たち日から出馬したのが村岡氏だった。今回は、ともに支持基盤とする保守票をどちらがより多く獲得するのかが注目された。

 石井氏が議席を守った最大の要因は、組織力を背景に与党支持層を固めた点にある。投開票日の出口調査によると、石井氏は全体の6割近くを占める自民支持層の66・3%をまとめた。団体・企業からの推薦数で他候補を圧倒。野党が共闘関係を築けず政権批判票が分散したことも有利に働いたといえる。

 選挙戦で石井氏は「要望を国に届けて終わりなら誰でもできる」と対抗馬を批判。しかし自らの政策を訴える場面は少なかった。県内投票率が過去最低の55・56%にとどまったことを鑑みると、もっと政策論議を戦わせ、有権者に訴えるべきではなかったか。

 村岡氏は全体の1割強を占める無党派層の45・5%から支持を得た。農業振興や地域課題に向き合う姿勢を強調し農業票の取り込みを図ったが、あと一歩及ばなかった。

 無所属新人の佐々百合子氏(46)は寺田静参院議員(無所属)や寺田学衆院議員(立憲民主)の全面支援を受けたが、得票率は13・66%にとどまり、風を起こせなかった。共産新人の藤本友里氏(43)ら他の3人も支持の広がりを欠いた。

 本県と縁のない候補者が複数出馬する動きは今後も続く可能性がある。19年の参院選では野党候補者の一本化が奏功し、寺田静氏の初当選につながった。政権与党に対する批判票の受け皿を分散させない戦術をどう練るか。野党にとって死活に関わる課題であり、今回の敗北を教訓としなければならない。

 本県選挙区での3選は1986年の故佐々木満氏以来36年ぶり。石井氏を押し上げる原動力の一つとなったのは、政権与党の政策実行力に対する期待だろう。

 新型コロナウイルス禍で打撃を受けた経済の回復や産業界の人手不足など、本県の抱える課題は山積しており、対応は待ったなしだ。石井氏には選挙で唱えた「秋田の活力をつくる」との公約を果たすため、本気で取り組んでもらいたい。1票を託した県民は、閉塞(へいそく)感を振り払う一打を期待している。

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