北斗星(7月12日付)

 「再開発に命を懸ける」が口癖だった。2008年に83歳で亡くなった日赤・婦人会館跡地等再開発準備組合(秋田市)理事長の加藤正男さん。県立美術館の移転が決まり、やっと方向性が見えた直後に旅立った

▼加藤さんが心血を注いだ同市中通の「エリアなかいち」。美術館に加え、商業施設や市にぎわい交流館があるエリアは今月、オープンから10年を迎えた。広場などには人々が集うようになり、空き地が広がっていた時代とは雰囲気が一変した

▼周辺にも変化が見える。あきた芸術劇場ミルハスが先月開館。昨年から広小路を歩行者天国にしたイベントも開かれるようになった。なかいちが中心市街地再興の機運を高めたと言えるかもしれない

▼なかいち整備はコンパクトシティーを標榜(ひょうぼう)する秋田市のまちづくり政策の象徴だった。市は秋田駅前などに施設や人の流れを誘導して利便性を高め、車を運転しない人も暮らしやすい街を目指している。郊外の開発を規制し除雪の効率低下といった弊害を食い止め、行政サービスを維持するという目的もある

▼郊外の外旭川地区に商業施設などを整備する事業を巡り、穂積志市長は「市の政策に合ったものについては(市街地を)広げるべき」と規制解除に前向きな姿勢を示す。「コンパクトシティーとの整合性は保たれている」とも語る

▼秋田市のまちづくりは今、かつて加藤さんらが官民挙げて目指した方向へと進んでいるのだろうか。なかいち10周年に思った。

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