山内杜氏組合100周年(上)ベテラン杜氏 仲間との輪、酒造りの肝

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 酒造りの技術者でつくる山内杜氏(とじ)組合は今年、1922(大正11)年の発足から100年を迎えた。「酒どころ秋田」を支える杜氏や蔵人を数多く輩出。現在も145人が組合に名を連ね、県内各地で活躍している。酒造りにかける思いや組合の歩みを伝える。

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阿櫻酒造の照井杜氏(左)と齋彌酒造店の高橋杜氏。2人とも旧山内村(現横手市)で生まれ育った。造りのない夏は、自宅で農作業をして過ごすことが多いという=4日、同市山内

 組合長の照井俊男さん(75)=横手市山内=は、阿櫻酒造(同市)の杜氏となって30年余り。酒造りに携わって今年で60年近くになる大ベテランだ。「酒造りの肝はチームワーク。仲間との輪が酒の出来を左右する」と話す。

 造りの要とも言われる麹(こうじ)造りの工程では、温度管理に一番気を使う。蒸米に種麹を満遍なく振りかけ、35度に保った麹室で2、3日かけて麹菌を繁殖させていく。菌が繁殖する際に熱を発生させるため、そのままでは蒸米の温度が上昇して菌の働きが弱まってしまう。そこで蔵人たちは交代で仮眠しながら、42度を超えないよう、温度をチェックする。

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