赤字に苦しむJR東の県内路線 100円稼ぐのに経費1万円超も

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 「現状をご理解いただき、持続可能な交通体系について建設的な議論をするため」として、JR東日本は28日、乗客が少ない路線の収支を初めて明らかにした。秋田県内では6路線11区間で、全て赤字だった。100円の収入を得るのに1万円を超える経費がかかっている区間もあり、路線を維持していく厳しさが浮かび上がった。

JR東、地方35路線全て赤字 19年度は計693億円

 公表したのは、1キロ当たりの1日の平均利用者数を表す「輸送密度」が2019年度時点で2千人未満の路線。県内では、秋田新幹線の走行区間と奥羽線の秋田―東能代間、羽越線の秋田―羽後本荘間を除き公表対象となった。

 19年度で最も赤字額が大きかったのは、奥羽線の東能代―大館間の32億4200万円。羽越線の酒田(山形県酒田市)―羽後本荘間の27億1100万円、奥羽線の大館―弘前(青森県弘前市)間の24億3700万円が続いた。

沿線関係者「何とか残して」「前向きな議論を期待」


 「何とか残して」「前向きな議論に期待」。JR東日本が収支状況を公表した地方路線のうち、県内各路線の沿線自治体関係者や、利用者からはさまざまな声が聞かれた。

 北上線ほっとゆだ(岩手県西和賀町)―横手間は2019年度、1キロ当たりの輸送密度が132人で、5億9700万円の赤字だった。横手市山内の相野々駅構内で飲食店を営む高橋信夫さん(68)は「赤字6億は予想より多い。利用者が少ないので(存廃協議は)時代の流れだろうが、車の免許がなく、山内方面から利用している人にとっては大変なこと」と話した。

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