【トーハク見聞録 150年のきらめき】国宝「平治物語絵巻 六波羅行幸巻」 牛車で二条天皇が脱出

お気に入りに登録
※写真クリックで拡大表示します
カラー漫画「トーハク見聞録 150年のきらめき」平治物語絵巻 六波羅行幸巻の回(作・いわきりなおと)
カラー漫画「トーハク見聞録 150年のきらめき」平治物語絵巻 六波羅行幸巻の回(作・いわきりなおと)

 創立150年を迎えた東京国立博物館(トーハク)が所蔵する国宝「平治物語絵巻 六波羅行幸巻」(鎌倉時代・13世紀 松平直亮氏寄贈)について、土屋貴裕研究員に話を聞きました。

   ×   ×  

 平安時代末期に起きた平治の乱を題材にした軍記物語「平治物語」を描いた絵巻。元々は複数巻にわたる大作で「六波羅行幸巻」の他、米ボストン美術館の「三条殿夜討巻」、静嘉堂文庫美術館の「信西巻」や、十数枚の断簡が現存しています。

 六波羅行幸巻は、源氏方に幽閉された二条天皇が平清盛の六波羅邸に逃れる場面を描いています。掲載した場面の中央には天皇を乗せた牛車。武士たちがすだれをはね上げてのぞいた中には、女房姿に変装した天皇の衣装の一部が見えます。

 たいまつを振り回した残像が表現され、現代の漫画やアニメで使われる手法とよく似ています。牛車の後方には、武士らを制する公家の姿。どんぐり眼にわし鼻で荒々しい表情の武士に対し、公家は端正な顔立ちです。

 二条天皇は無事に御所を脱出し、絵巻は公家たちが六波羅に続々集結する場面に続きます。不作法な源氏方とは対照的に、平家方の武士たちはよく統率された隊列で描かれています。

 一般的な絵巻よりも縦幅が大きく長大な画面に、動きのある構図や美しい色彩で、緊迫した場面が描かれています。秋の特別展では、約9メートル50センチある六波羅行幸巻を全て広げた状態で見ることができます。(文の構成と漫画・いわきりなおと)

 【メモ】国宝「平治物語絵巻 六波羅行幸巻」は、2022年10月18日~12月11日に開かれる特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」にて、10月18日~30日の期間限定で展示する。

同じジャンルのニュース