「トーハク見聞録 150年のきらめき」国宝「孔雀明王像」 優雅な美意識、平安仏画

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漫画「トーハク見聞録 150年のきらめき」、孔雀明王像の回(作・いわきりなおと)
漫画「トーハク見聞録 150年のきらめき」、孔雀明王像の回(作・いわきりなおと)

 10月18日~12月11日に開かれる東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」で展示される国宝「孔雀明王像」(平安時代・12世紀)について、古川攝一研究員に話を聞きました。

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 正面を向き孔雀の背に座っているのが孔雀明王です。密教において孔雀は、毒蛇や害虫を食べることから災いを除く力があると信仰されてきました。明王は怒りの表情で人々を導くとされる仏様ですが、孔雀明王は慈愛に満ちた優しい顔をしています。日照りで雨を降らせたい時などに、人々は祈りをささげました。

 4本ある腕や身体の輪郭線がふっくらと引かれ、肌の色は明るく、とても柔らかな印象です。金をふんだんに使った装飾も見どころ。腕輪やネックレスなどのアクセサリーには金箔を張り、衣には細く切った金箔を張り付ける繊細な技法で文様が表されています。全体の彩色もきらびやかで、この絵が描かれた当時はさらに輝いて見えたことでしょう。

 縦147・9センチ、横98・9センチとサイズも大きいことから、当時の最高権力者かそれに匹敵するような人物が制作を依頼したのでしょう。画面中央のザクロの赤が効果的に全体を引き締めています。ザクロには安産祈願の意味があり、これから出産を迎える女性のために作られたのではという説があります。

 仏画は平安時代に頂点を迎え、中でもこの孔雀明王像は代表的作品の一つ。この作品が残っていることで、平安貴族たちの優雅で繊細な美意識を現代の私たちも感じることができるのです。(文の構成と漫画、いわきりなおと)

 【メモ】国宝「孔雀明王像」は、10月18日~11月13日の期間限定で展示する。チケットは事前予約制。詳細は特別展の公式サイトを参照。

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