県内でも「値上げの秋」 家計さらに圧迫、企業は客離れ懸念

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 原材料や資材価格の高騰が続く中、10月1日から秋田県内の一部の企業が商品の値上げに踏み切る。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の上昇、24年ぶりの円安水準なども重なり、「値上げの秋」が企業経営や家計をさらに圧迫しそうだ。

定番商品、28年ぶりの価格改定


 「高清水」醸造元の秋田酒類製造(秋田市)は、10月1日出荷分から約50品目を5~20%ほど値上げする。人気の「高清水 さけパック(1・8リットル)」は1702円(参考小売価格)から7%上げ、1824円となる。

 大半を輸入に頼る醸造アルコールは、昨年比で仕入れ値が4割上昇。紙パックや酒瓶などの容器類も軒並み値上がりし、一部品薄傾向にある。

 普通酒や本醸造など定番商品の価格改定は28年ぶり。平川順一社長は「酒は値上げすると即、競争力が落ちてしまうので価格は長く据え置いてきた。今回はあらゆる原料が値上がりしており、価格転嫁せざるを得ない」と話す。

10月の値上げを前に、店頭ではビールのまとめ買いを呼びかけている=秋田市のジェイマルエー茨島店

毎月のように価格改定通知、スーパー「落ち着く兆し見えない」


 値上げの影響は小売店にも及ぶ。本県と山形県でスーパー「ジェイマルエー」を計9店舗運営するマルエーうちや(秋田市)には、取引先のメーカー各社から価格改定の通知が毎月のように届く。植物油やマヨネーズが顕著で、今年に入ってから5~10%ほどの値上げが複数回あった。

 秋の値上げで注目されるのがビール。大手4社は10月1日出荷分からの値上げを発表している。マルエーうちやは10月からの店頭価格を検討中だが、駆け込み需要を見込んで今月下旬から、店頭の目立つ位置にポップを配し、まとめ買いを呼びかけている。

 担当者は「酒などの嗜好(しこう)品を買い控える人が増えている。各商品の値上げ予定は来春まで詰まっており、落ち着く兆しは見えない」と先行きを懸念した。

フードバンク事業ピンチ、支援団体への寄付減少


 物価高は、寄付で集まった食料品を生活困窮者に無償で届ける「フードバンク」事業にも影を落としている。個人や企業から県内の支援団体に寄せられる食品の量が減少。「従来通りの支援を続けられるのか」。関係者は懸念を口にする。

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