【劇場びーちぶの怪人 #6完】コントで飛躍「や団」 飛び抜けた脚本力と演技力

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お笑いトリオ「や団」。(左から)中嶋亨、ロングサイズ伊藤、本間キッド(絵・チャーミングじろうちゃん)
お笑いトリオ「や団」。(左から)中嶋亨、ロングサイズ伊藤、本間キッド(絵・チャーミングじろうちゃん)

 東京都豊島区の小さなお笑い専門劇場「びーちぶ」が輩出した個性豊かなSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)芸人たちを、同じ釜の飯を食べた芸人兼漫画家のチャーミングじろうちゃんが紹介する連載第6回。

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 2007年に結成し、「キングオブコント」の準決勝に6回も出場していたアラフォートリオ「や団」がとうとう突き抜けた。「キングオブコント2022」の決勝に進出し、3位と大活躍したのだ。

 突き抜けた要因はネタ作り担当、本間キッドの情熱が大きい。いつも前向きで、いろんな人に意見を聞いてはネタを磨き上げていく。芸人は売れないまま年を重ねることがつらく、このまま売れなかったら最低な人生だと考えてしまう。ところが本間は今年で40歳なのに、全くそんなところがない。

 また普段ヘラヘラしているが、作家としての能力が飛び抜けている。それを一番目の当たりにしたのは僕かもしれない。

 18年にコンビを解散してピン芸人になった僕は、全くウケずに苦しんでいた。そんな時、僕が出した設定を基に本間に脚本を書いてもらった。

 すると本来なら「R―1ぐらんぷり」1回戦くらいで敗退する実力の僕が、19年に準々決勝まで進出できた。そして何より、ネタを書くのが好きだからと嫌な顔ひとつしなかった。コントを心から愛しているのだ。

 飛び抜けたもう一つの武器は、ロングサイズ伊藤の演技力。普段の会話でも突然トーンを外した大声を出したり、オーバーリアクションやギャグをやったりと、まるでコントのようだ。

 シャイな伊藤は素の自分を見られるのが嫌で、自分のイメージする芸人さんという役を常に演じているのだと思う。逆に考えると24時間演技をするなんて、とても常人にはまねできない。

 最後にリーダー中嶋亨は、や団のかすがい役。ラーメン店でバイトし、金銭面でも2人を支えた。年間数百杯も食べるラーメンマニアで、決勝当日もラーメン博覧会で何杯も食べまくり、TBSに入る時間が遅くなってしまった。スタッフから「歴代のファイナリストで一番遅いよ」と冷やかされたらしい。(おわり。芸人兼漫画家)

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 チャーミングじろうちゃん 1977年福岡県生まれ。97年からお笑い芸人として活動を始め、近年は漫画家としての仕事が多め。

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