北斗星(12月8日付)

 ハタハタは産卵シーズンに海水温が下がると一斉に沿岸に押し寄せるといわれる。そのとき海の中はどんな様子なのだろう。そんなことを考えながら、水中カメラを携えて八峰町の岩館漁港近くの入り江に潜った。9年前のことである

▼水深3~4メートルの海底はハタハタで埋め尽くされているというわけではなく、視界は開けていた。岩陰にハタハタが集まっているのが見え、そっと近づく。人間に驚いたのか、ハタハタは一斉に動き出した。陽光が差し込む水中で泳ぎ去る群れは銀色の川のように見えた。資源量の回復を実感した

▼同町の八森、岩館両漁港から今年の季節ハタハタ初漁のニュースが届いた。昨日付本紙地域面の「ルポ 季節ハタハタ」では八森の漁師たちの喜びが伝わってきた。一方、まだ水揚げのない県内漁港の漁師や地域住民たちは、ハタハタの接岸を心待ちにしている

▼県水産振興センターは、今季の漁獲量は記録的不漁となった昨年並みになると予測する。近年、再び漁獲量の低迷が続く。研究者の間では、低迷の要因は地球温暖化に伴う海水温上昇との見方が強まっている

▼本県は1995年、ハタハタ漁獲量に上限を定める資源管理型漁業を開始。昨年から操業日数に上限を設ける方式に改めた。何とか資源回復につながってほしいものだ

▼漁業関係者の努力ではどうにもならない変動が海中で起きているのか。あの銀色の川のようなハタハタの群れが戻り、いつまでも見られることを願う。

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