北斗星(1月25日付)

 自宅の納戸にしまい込んでいた反射式の石油ストーブを引っ張り出した。冬場の停電時用に購入した予備の暖房器具だが、1度も使用せず10年以上眠ったままになっていた

▼10年に1度の強烈な寒波がやって来る―。交通障害や停電への警戒を呼びかけるニュースを見て慌てて灯油を買いに走り、ストーブの試運転をした。支障なく使えることに安堵(あんど)しつつ、非常時に備え定期的に点検しておくべきだったと反省した

▼寒波はあす26日にかけて日本列島に大雪や暴風をもたらすとみられている。沖縄を除く広い範囲で氷点下の冷え込みが予想され、九州でも大雪の可能性があるという。全国で大勢の人々が対策に奔走したことだろう

▼過去に経験した寒波の中で強く記憶に残っているのが2005~06年の「平成18年豪雪」。暴風雪や大雪の影響により、乗客ら38人が死傷した特急いなほ脱線事故や一家4人が命を落とした湯沢市泥湯温泉の硫化水素ガス事故など痛ましい出来事が相次いだ。秋田新幹線こまちが開業以来初めて終日運休したのもこの豪雪の時だった

▼一昨年の1月に県内で発生した大規模停電は記憶に新しい。多くの県民が寒さに凍え、不安な時間を過ごした。真冬の嵐の恐ろしさをあらためて思い知らされた

▼県内でも昨日から荒れ模様が続く。きょう25日は寒気が強まり、警報級の大雪となる恐れがある。水道管凍結にも注意が必要だ。身の安全と生活を守る対策を講じ、寒波を無事に乗り切りたい。

お気に入りに登録
シェアする

秋田魁新報(紙の新聞)は購読中ですか

紙の新聞を購読中です

秋田魁新報を定期購読中なら、新聞併読コース(新聞購読料+月額330円)がお得です。

新聞は購読していません

購読してなくてもウェブコースに登録すると、記事を読むことができます。

関連ニュース

秋田の最新ニュース