時代を語る・吹浦忠正(7)政治家にも献血直訴

有料記事
※写真クリックで拡大表示します
早大では献血推進に奔走(右)
早大では献血推進に奔走(右)

 母は私が医者になることを期待していましたが、無理でした。数学が苦手なのでね。入試は中央大法学部と早稲田大第一政経学部に受かり、特待生になった中大を選びました。中大は司法試験に100人以上が合格していました。私は人づてに入試は上位だったと聞いたので、司法試験の勉強は「そのうちに」と思っていました。

 ところが、入学してひと月たった頃、大学のトイレで他の学生の会話を耳にして驚きました。彼らは「刑法の条文に矛盾があるんじゃないか」と議論しているんです。私は刑法が何条まであるかも分からない。自分が通用する世界ではないと思い、中大をやめて早大に転じました。親は破産状態になったのに早大にも入学金を払い、通えるようにしていたんです。特待生ではなく学費もかかります。本当に申し訳ない思いでした。

お気に入りに登録
シェアする

秋田魁新報(紙の新聞)は購読中ですか

紙の新聞を購読中です

秋田魁新報を定期購読中なら、新聞併読コース(新聞購読料のみ)がお得です。

新聞は購読していません

購読してなくてもウェブコースに登録すると、記事を読むことができます。

連載企画:時代を語る・吹浦忠正

この連載企画の記事一覧

秋田の最新ニュース