大阪の小6焼死、二審も府に賠償 国の責任認めず、再審無罪の母に

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青木恵子さんが大阪府と国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決を受け、紙を掲げる原告側の弁護士ら=9日午前、大阪高裁前
青木恵子さんが大阪府と国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決を受け、紙を掲げる原告側の弁護士ら=9日午前、大阪高裁前

 大阪市東住吉区で1995年に小学6年の女児が焼死した住宅火災で、再審無罪が確定した母親の青木恵子さん(59)が、違法な捜査で逮捕、起訴され身柄を約20年間、不当に拘束されたとして、大阪府と国に計2千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が9日、大阪高裁であった。牧賢二裁判長は昨年3月の一審大阪地裁判決を支持し、府に約1220万円の賠償を命じ、国への請求は棄却した。

 一審判決に続き、府警の警察官の取り調べで違法な行為があったと認めたのに対し、検察官の起訴や捜査に違法性は認められないと判断した。青木さん側と府側の控訴をいずれも棄却した。

 牧裁判長は一審と同様、府警の警察官が長女の写真を見せて大声を出して責めるなど過度の精神的圧迫を加えたことで虚偽の自白をせざるを得ない状況に陥らせたと認めた。体調が悪化しても必要な措置を講じなかったとして取り調べは「社会通念の限度を超えていた」とした。

 検察官の責任については当時の証拠状況を踏まえて「違法とは断定できない」と判断した。

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