秋田県内の自殺者、3年ぶりに増加… メンタルヘルスへの理解「職場で、社会で」

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「秋田ふきのとう県民運動実行委員会」が自殺予防への支援を呼びかけた街頭キャンペーン=1日、秋田市のJR秋田駅ぽぽろーど

 3月は国の自殺対策強化月間。2022年の秋田県内自殺者数は3年ぶりに前年を上回った。特に40、50代の働き盛り世代の増加が顕著だった。予防活動に取り組む関係者らは、新型コロナ禍による経済問題の長期化を懸念し、支援強化とメンタルヘルスへの理解促進を訴える。
 
 先月中旬、秋田市でNPO法人「蜘蛛(くも)の糸」(佐藤久男理事長)の研修会が開かれた。蜘蛛の糸は02年の設立以来、特に中小企業経営者とその家族らへの相談対応を続けてきた。ここ数年は若い世代に向けて、無料通信アプリLINE(ライン)を使った相談にも応じる。

 今回の研修会には相談員や市町村の自殺予防担当者ら計約40人が参加。佐藤理事長は「コロナ禍で自殺者数は増加傾向にある。背景に潜む社会的要因を捉え、最前線で対応していくことが必要だ」と強調した。

 【県内の主な相談窓口】
 ▽秋田いのちの電話
 TEL018・865・4343(正午~午後8時半、年末年始を除く)
 ▽あきたいのちのケアセンター
 TEL0120・735256(平日午前9時~午後4時、土日祝日は午前10時から。年末年始を除く。県内からの電話が対象)
 ▽蜘蛛(くも)の糸LINE
 IDは「@156uujqi」(毎週火曜から土曜の午後4~9時、受け付けは8時半まで。年末年始を除く)


 秋田大自殺予防総合研究センターの宮本翔平特任助教が講師を務め、働く人のメンタルヘルスについて解説した。全国的に精神障害による労災件数は増えており、特に従業員50人未満の小規模事業所は産業医配置やストレスチェックがされていないケースが多いとした。

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