中国の邦人拘束、日系企業に衝撃 広がる慎重論、投資の機運そぐ

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中国日本商会の幹部らに日本政府の対応を説明する会合が開かれた北京の日本大使館=26日(共同)
中国日本商会の幹部らに日本政府の対応を説明する会合が開かれた北京の日本大使館=26日(共同)

 【北京共同】中国北京市のアステラス製薬の現地法人幹部が拘束された事件は、中国に進出する日系企業に衝撃を与えた。中国外務省は27日、男性はスパイ容疑としたが具体的な容疑事実を明らかにせず、日本人社会に不安が拡大。中国ビジネスは「リスクが大きい」と慎重論が広がり、対中投資の機運はそがれている。在中国日本大使館は男性の早期解放に全力を挙げている。

 「どのような行為が罪に問われるのか不透明だ」「何に気を付けていいか分からない」。中国の日系企業関係者からは戸惑いの声が上がる。

 中国ではスパイ行為など「国家安全」に関する事案は容疑内容を明らかにしないのが通例だ。公判も秘密法廷で、判決確定後でさえ、罪に問われた行為の詳細が公になることはほぼない。

 男性は北京の日系企業で組織する「中国日本商会」の幹部を務めたこともあるベテラン駐在員。在中国日本大使館は26日夜、商会の幹部十数人に日本政府の対応を説明する会合を開いた。出席者によると、垂秀夫大使は「早期解放に向けて全力を尽くしている」と話したという。

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