【東京ウオッチ】銀座で出合う“キューバの海”―現代アートの新星が展覧会 いまのTokyoをつかむイベント情報(4月1日~9日)

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展覧会「WHERE OCEANS MEET」会場で自身の作品の前に立つ、マベル・ポブレットさん=東京・銀座((C)CHANEL)(提供写真)
展覧会「WHERE OCEANS MEET」会場で自身の作品の前に立つ、マベル・ポブレットさん=東京・銀座((C)CHANEL)(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【1日(土)】

 ▽「『WHERE OCEANS MEET』マベル・ポブレット展」(~2日、中央区・シャネル・ネクサス・ホール、入場無料、予約不要)

 写真など多彩な表現方法を駆使するキューバ出身のアーティスト、マベル・ポブレットさんの個展が日本で初めて銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催されている。

 ポブレットさんはキューバを代表する若手アーティストの一人。フィデル・カストロ政権下の社会主義体制で育ったアイデンティティーや世界における彼女自身の経験を基に創作している。

 写真や映像、インスタレーションなどで表現した、新作を含む34点を展示。重要なテーマとする「水」「海」を感じさせる内容で、海は同じ島国の日本との共通点を示すモチーフとしても用いた。キューバで身近な「移民」を描いた作品もある。

 ポブレットさんは「作品たちは、生きる人々、存在しない人々へ向けた平和の叫びで、怒りの叫び、希望を求める叫びでもある」と語った。同展は、15日から5月14日まで「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭2023」も巡回。

 

 ○そのほかのお薦めイベント

 ▽「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」(~6月4日、港区・東京シティビュー)

 世界を舞台に建築などのデザインを手がける集団「ヘザウィック・スタジオ」のプロジェクト28件を紹介する展覧会が六本木で開かれている。

 会場の展望台吹き抜けの大空間には、東京で今年完成予定の「麻布台ヒルズ/低層部」や「上海万博英国館」、ニューヨークの「リトル・アイランド」など多様なプロジェクトの模型や素材を展示。50年ぶりにリニューアルされたロンドンの2階建てバスの原寸大模型(部分)も設置する。

 ヘザウィック・スタジオは1994年にロンドンで設立。そのデザインには、都市計画のような大プロジェクトにも「ヒューマン・スケール」を取り入れる特徴がある。創設者トーマス・ヘザウィックさんの、職人が作る小さなものに宿る魂を、大きな空間へ込めたいという思いが原点。閉鎖性をなくし人が自然に集える開放性も志向する。

 本展は「みんなとつながる」「記憶を未来へつなげる」など六つの視点で構成。人間の優しさ、美しさ、知性、そして共感をもたらす建築とは何かを探る内容となる。

 ▽「Gentlemen〓 Club」(~4月16日、港区・アニエスベー ギャラリー ブティック、入場無料)

 フランス人の写真家、フランソワ・プロストさんの国内初の個展が南青山の「アニエスベー ギャラリー ブティック」で開催されている。

 プロストさんは、マイアミからロサンゼルスまで米国を車で横断し、ストリップクラブを撮影。その写真集「Gentlemen〓 Club」から選んだ29点の作品と、旅の様子の映像を展示している。

 道路沿いやスーパーマーケットなどの隣にある白昼のストリップクラブのファサードの幾何学的外観と、建物のパステルカラーが強い太陽の下、写し出されている。

 プロストさんは「保守的、極端なピューリタリズムで知られる地域に、セクシュアリティーやジェンダーの問題が隠されているのに面白さを感じた」と説明。ノスタルジックでファンタジックな写真は、私たちが持つ矛盾や先入観をユーモラスに問い直してくれる。

 ▽「ハッピーイースター」(~9日、豊島区・西武池袋本店)

 復活祭(イースター)を祝うグルメを集めたイベントが西武池袋本店で開催されている。

 会場には、繁栄の願いを込めた「ウサギ」や「卵」をモチーフにした、国内外のかわいらしいケーキやチョコレートといったスイーツ、パン、弁当などの食品が並ぶ。ベルギーのチョコレートブランド「ヴィタメール」は、ウサギやカラフルな卵形のチョコレートを飾ったケーキを紹介。

 愛知の老舗いなりずし店「壺屋」が提供するイースター弁当も注目。ウサギ形のご飯や卵焼きを詰めて、イースターの楽しさを表現した内容となっている。愛らしい食べ物たちと一緒に春の訪れを祝うことができる。

 【6日(木)】

 ▽「東京大学未来ビジョン研究センター SSUフォーラム『権威主義的な地域組織』」(14時30分、事前予約制、オンライン開催)

 権威主義的な地域組織が政治的自由や民主化に悪影響を与えるという国際的な傾向を受け、有識者が討論するフォーラムがオンラインで開催される。

 地域組織を通じた国際協力は、自由主義的な国際秩序の大事な一要素。戦後、深い協力体制を築いてきた欧州の経験に大きな影響を受けている。しかし、近年は、特に中東、アフリカ、中央アジアで、権威主義的な地域組織が台頭している。

 この動きを追い、ネガティブな帰結を評価したプロジェクトの基調報告を、カリフォルニア大学サンディエゴ校のステファン・ハガード教授が行う。その後、東京大准教授の佐橋亮さん進行で、上智大教授の渡辺紫乃さんと問題を掘り下げる。

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