北斗星(5月23日付)
昨年夏に宮城県の三陸沿岸道路で自家用車を運転中、突然後輪から異音が聞こえた。パンクだと分かり、ハザードランプを点滅させて路肩に停車した。「どうすればいいのか」という戸惑いと、目的地まで予定の時間に到着できない焦りが重なり、動揺してしまった
▼車内から携帯電話で日本自動車連盟(JAF)に救援を依頼。担当者から「車の外に出て、ガードレールの外で待っていてください」と指示された。エアコンが効いた車内を離れ、炎天下で救援を待った
▼JAFが高速道路上で停車せざるを得ない場合に車を降りて路外へ避難するよう強く促すのは、後続車に追突されて重大事故につながる危険性が高いからだ。そのことを改めて認識させられる事故が16日に同じ宮城県の東北自動車道で発生した
▼エンジントラブルで停車中のバスに大型トラックが追突。バスの後方でエンジンを点検するなどしていた運転手と乗客の計3人が死亡した。バスの車体は路肩から大部分がはみ出していたにもかかわらず、後続車に注意を促すための発炎筒や停止表示板は使用されていなかった
▼JAFは高速道路で車が故障した際、路肩のできるだけ外側に停車し、発炎筒などを車の後方に置くよう呼びかける。それでも人が後続車にはねられて死亡する事故は繰り返されている
▼やむを得ず路肩に停車する際にどう行動するのかを想定した上でハンドルを握ることを心がけたい。普段から車のメンテナンスも欠かせない。
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