インク再生会社が敗訴、大阪地裁 キヤノン仕様変更「適法」

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キヤノンのプリンターのインクカートリッジ純正品(上)と、「エコリカ」がインクを再び注入した品
キヤノンのプリンターのインクカートリッジ純正品(上)と、「エコリカ」がインクを再び注入した品

 プリンターのインクカートリッジの仕様を変えてリサイクル品の販売を妨げたのは違法として、リサイクル品の製造販売会社「エコリカ」(大阪)が大手精密機器メーカー「キヤノン」(東京)に仕様変更の差し止めと3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、大阪地裁であった。谷村武則裁判長は、仕様変更を「違法ではない」と判断し、エコリカの請求を棄却した。

 判決後、エコリカの宗広宗三社長は控訴する意向を示した。キヤノンは「当社の主張が受け入れられた」とのコメントを出した。

 判決などによると、エコリカはキヤノンの使用済みインクカートリッジを家電量販店などで回収し、インクを再注入して純正品より安い価格で販売。キヤノンが17年に発売した製品でインク残量を表示させるICチップの仕様を変更し、再注入してもプリンター上は「インクなし」と表示されるようになった。

 谷村裁判長は、インクの残量表示がなくても印刷自体は可能で、消費者らはキヤノンの純正品の購入を余儀なくされたとは言えず、抱き合わせ販売には当たらないと指摘した。

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