日本海中部地震40年:識者の視点(下)想定疑い、率先避難者に 東大大学院・片田敏孝特任教授(災害社会工学)

連載:日本海中部地震40年
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片田敏孝特任教授
片田敏孝特任教授

 災害は、時に想定を超える規模や形で発生する。その時、いかに行動できるかが、自分と大切な人の命を守る鍵になる。東日本大震災以前に岩手県釜石市で継続的な防災教育を展開し、中学生らの率先避難につなげた東大大学院情報学環の片田敏孝特任教授(62)=災害社会工学、災害情報学=に、避難の在り方やこれからの防災教育などについてオンラインで聞いた。

 ―日本海中部地震は、どういった意味を持つ災害か。

 「日本海側の津波が、太平洋側と大きく違うと認識するきっかけになった。津波警報が第1波到達後に出るなど非常に遅く、これを契機に警報の運用が見直された。自分の研究分野である災害情報学上、大きな意味のある災害だった。地域住民の『地震が来たら海に逃げろ』『日本海側に津波はない』という意識と、実際に起こったことが大きくかけ離れていたのは非常に問題があった」

 ―日本海側の地震の特徴とは。

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