鳥海ダム工期4年延期 元住民「1年でも早く完成を」、地元業者は波及効果期待

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 秋田県由利本荘市鳥海町で建設が進む鳥海ダムの完成が、予定より4年遅れて2032年度となる見通しとなった。事業費は資材価格や人件費の高騰で890億円増の1990億円に膨らむ。ダム建設に伴って転居した住民は「少しでも早い完成を」と望み、地元の経済関係者からは工期延長による継続的な波及効果に期待する声が上がる。

 鳥海ダムは、国が子吉川上流部の百宅(ももやけ)地区に建設。子吉川流域の洪水被害を減らし、水道用水の安定供給や水力発電に役立てる。20年度に仮排水トンネルなどの工事が始まった。地区の37世帯は昨年8月までに移転した。

鳥海ダムの工事現場。ダム建設に伴い百宅地区の37世帯が退去した=9日午後1時45分ごろ、由利本荘市鳥海町

 百宅町内会水没地権者会長の佐藤一太郎さん(74)は住民の中で最後に退去し、約40キロ離れたJR羽後岩谷駅近くに新居を構えた。

 「かつての住民たちの多くは高齢者。みんな見届けなきゃという思いが強い。1年でも早く完成してほしいと願っている。国は少しでもコストを削減し、早期完成に向けて努力してほしい」と話す。

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