彫刻と染色作品の企画展 「土方久功と柚木沙弥郎」

※写真クリックで拡大表示します
「土方久功と柚木沙弥郎」展。土方が手がけた木彫りのレリーフなど=東京都世田谷区
「土方久功と柚木沙弥郎」展。土方が手がけた木彫りのレリーフなど=東京都世田谷区

 東京・砧の世田谷美術館で、彫刻家土方久功(1900~77年)と染色家柚木沙弥郎さん(100)の所蔵作品を集めた企画展「土方久功と柚木沙弥郎 熱き体験と創作の愉しみ」が開催中だ。立体や平面作品、絵本など多岐にわたる仕事を手がけてきた2人に直接の接点はないが、不思議に響き合う作品の数々を楽しめる。11月5日まで。(共同通信=竹田健太郎)

 前半は土方の「パラオ諸島とサタワル島で過ごした日々への憧憬」。冒頭は「猫犬」などユニークなブロンズ彫刻と、さまざまな表情の木彫りの「マスク」を紹介。さらに進むと、10年以上を過ごしたミクロネシアの風景や人物を主題とした木彫りのレリーフや水彩画などが並ぶ。島での体験を記した言葉も添えられ、土方の温かいまなざしが感じられる。

 60年代から携わった雑誌「母の友」(福音館書店)の挿絵原画も初公開。代表作「ぶたぶたくん」の誕生の経緯や、サタワル島の民話を描いた「おによりつよいおれまーい」なども。

 後半は、柚木さんの「“自由であること”楽しみを見つける日々の営みから生まれる創作」。鮮やかな色使いが特徴的な「ならぶ人ならぶ鳥」やシンプルで力強い「コップ」など、染色作品25点が並ぶほか、制作に使った型紙の一部も公開。100歳になった現役染色家の手仕事の一端を感じられる。

 柚木さんのアトリエに置かれているという船の玩具やメキシコの人形、制作道具など、創作の源泉に触れられる展示コーナーもある。

 観覧料は一般500円など。担当学芸員による見どころのレクチャーや、型染めの手提げ袋をつくるワークショップも開催。

お気に入りに登録
シェアする

秋田魁新報(紙の新聞)は購読中ですか

紙の新聞を購読中です

秋田魁新報を定期購読中なら、新聞併読コース(新聞購読料のみ)がお得です。

新聞は購読していません

購読してなくてもウェブコースに登録すると、記事を読むことができます。

同じジャンルのニュース