北斗星(9月17日付)
「明日(あした)はきっといい日になる」は横手市出身のシンガー・ソングライター高橋優さんの代表曲だ。明るい曲調で聴く人を元気づけてくれる。JR秋田駅の秋田新幹線こまちをはじめ、在来各線の発車メロディーでもある。秋田を代表する曲ともいえよう
▼「明日は今日よりも良くなると誰もが感じられるような国を目指す」。改造内閣発足から一夜明けた14日に岸田文雄首相が述べた。高橋さんの歌とよく似た言葉が並ぶ。ただし、これは首相の決意を込めたメッセージである
▼「明日は良くなる」と感じていない国民が少なくないことを認めているのは正しいのかもしれない。ただ国民を不安にしているのは誰かという点において責任感を欠いていないか
▼岸田政権の発足からもうすぐ2年。「令和版所得倍増計画」は「資産所得倍増プラン」に衣替えして実体はかすむ。期待が寄せられた少子化対策は財源が不明確なままで不安が募る。明日の見え方は首相のリーダーシップ次第で変わるのかもしれない
▼改造内閣では女性閣僚が2人から過去最多に並ぶ5人に増え、女性活躍へ前進したと受け止められた。ところが15日に決まった副大臣26人と政務官28人は全て男性。副大臣や政務官が「明日の閣僚」なら先々が心配だ。女性活躍推進の本気度が問われる
▼国の未来を託された首相の言葉は重い。明日がいい日になると国民に信じてもらうために、岸田首相には言行一致の姿勢を徹底して再スタートしてもらいたい。
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