北斗星(9月18日付)

 大潟村で桜が開花したという。数本の木だけだが、猛暑と少雨の影響でいったん葉が落ちた後に雨が降って湿度が上がったため、木が季節を勘違いした可能性が指摘されている

▼9月も折り返したというのに厳しい暑さが続く。きのうの県内は全26観測地点のうち20地点で30度以上の真夏日となった。3連休の中日の行楽を取りやめた方もいるのではないか

▼桜の開花を狂わせている今夏の猛暑で体調を崩す人も多い。総務省消防庁の速報値によると、県内の今月10日までの熱中症による救急搬送者は1147人で昨年同期の約2・8倍に上っている。搬送者の約7割を占めるのが65歳以上の高齢者だ

▼熱中症が原因とみられる痛ましい犠牲者も出ている。大仙市や羽後町では70、80代の高齢者が屋外での作業中に意識を失うなどして亡くなった。にかほ市では1人暮らしの70代男性が高温になった自宅の居間で死亡しているのが見つかった。猛暑が恨めしい

▼きょうの敬老の日に合わせた県の統計では、高齢者だけの世帯は総世帯数の36・4%。高齢者の1人暮らしは総世帯数の20・5%に及ぶ。こうした人たちに声をかけ見守っていく地域の態勢が欠かせない

▼高齢者が安心して暮らせる地域づくりは、若い世代の安心にもつながる。「人生100年時代」ともいわれるようになり、仕事や地域活動などを長く続ける人は増えていくことだろう。そうした高齢者を幅広い世代が力を合わせて支えていく社会を築きたい。

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