福島の魚、風評被害見られず 観光業、訪日客への影響を警戒

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底引き網漁師の鈴木三則さん(左)=20日、福島県いわき市
底引き網漁師の鈴木三則さん(左)=20日、福島県いわき市

 東京電力福島第1原発で処理水海洋放出が始まって、24日で1カ月となった。福島県沖で取れた魚介類「常磐もの」に風評の影響とされる価格低下は見られず、漁業者は安堵する。一方、県内の観光業界には、放出がインバウンド(訪日客)回復に影を落とさないかどうか不安もある。

 県水産海洋研究センターが毎週発表する漁海況速報によると、沿岸と比較的近い沖合で操業する県内3漁協が水揚げした海産物の平均価格は、おおむね例年通りだ。県水産課の担当者は「風評影響は現時点でないとみている」と分析した。

 20日、いわき市の四倉漁港にタイやカレイを水揚げした、底引き網漁師鈴木三則さん(72)は「何かしら価格に影響が出ると思っていたので、まずは一安心。水揚げ量が増える冬ごろまでは価格の推移を慎重に見る必要がある」と話した。

 福島県の観光業界は放出の影響を警戒している。中国政府が8月10日、日本への団体旅行を解禁する一方で、処理水放出には反発を続けているためだ。

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