集う人々・世界×文化

「集う人々・世界×文化」に関するニュース一覧です。

ヴェネツィア、二つの絵画を味わう(秋田大・佐々木千佳) あふれる500年前の熱気

 ≪モナ・リザ≫が展示されているルーヴル美術館の一室には、名画を一目見ようと連日世界中から人々が訪れる。それと向かい合う壁側にあってひときわ目を引くのは、幅10メートルもの巨大なカンヴァス画である。ヴ…

中国最古の王権と宮殿(秋田大・内田昌功) 力の源は農と儀礼にあり

 中国では紀元前6000年までに農耕が始まり、黄河流域ではアワやキビが、長江流域ではイネが栽培された。人口は増加し、紀元前4000年頃には各地に文化を共有する地域的なまとまりが形成された。これらの地域…

メディアとしての英国の証言劇(秋田大・大西洋一) 真実を知るために劇場へ

 コロナ禍で集うことが禁じられていた劇場に、ようやく観客が戻ってきた。シェイクスピア戯曲あり、20世紀の名作あり、新作ありの英国の舞台で近年重要性を増しているのが、事実調査に基づいて現代の社会事象を扱…

秋田藩江戸上屋敷という拠点(秋田大・清水翔太郎講師) 生家を支えた藩主の娘たち

 秋田藩主の江戸における居所、上屋敷(かみやしき)は17世紀末から江戸時代を通して下谷七軒町(したやしちけんちょう)=現東京都台東区=にあった。下谷三味線堀(しゃみせんぼり)邸としても知られている。藩…

英仏百年戦争と長い休戦(秋田大・佐藤猛准教授) 和平交渉の歩みは止めず

 古今東西を問わず、戦争は人々の大規模な離合集散を引き起こし、感染症流行の背景ともなってきた。中世ヨーロッパにおいてペストが大流行したのも、ジャンヌ・ダルクで有名な英仏百年戦争(1337~1453年)…

集う人々・世界×文化(13)インドネシア 戦時下の祭典(ホートン・W・ブラッドリー)

 インドネシアには、古くからパサール・マラム(夜市)という年中行事がある。夜市とは言うものの夜だけ開かれるわけではなく、市場(いちば)でもない。啓蒙(けいもう)活動のような展示から娯楽のようなエンター…

集う人々・世界×文化(12)グローブ座という融和の器(佐々木和貴)

 1599年、ロンドンのテムズ川南岸にグローブ座という新たな劇場が建った。Globeとは地球・世界という意味だが、シェイクスピアの名作が次々と上演されたため、そこはまさに世界を映しだす劇場となった。照…

集う人々・世界×文化(11)天安門広場という政治装置(羽田朝子)

 天安門広場は、中華人民共和国の首都北京の中心部に位置している。広場の北にある天安門には毛沢東の肖像が掲げられ、国家的儀礼の際には、人民解放軍や民衆による規律されたパレードが盛大に開催される。まさに中…

集う人々・世界×文化(10)百年前の「祝宴の時代」と現代(辻野稔哉)

 フランスの「ベル・エポック」を「祝宴の時代」と呼んだのは米国の仏文化研究者ロジャー・シャタックだった(The Banquet Years, 1958)。フランスでは、諸説あるものの、19世紀から20…

集う人々・世界×文化(9)ソビエト・ミュージカル映画の「祝祭」空間(長谷川章)

 20世紀、テクノロジーの発展により、人々が集う祝祭空間は現実だけではなく、映画などバーチャルな形でも世界中に拡大した。ここでは、人気ジャンルだったミュージカル映画が、映画産業の中心地米国と対極にある…

集う人々・世界×文化(8)韓国・済州島にみる墓と人々(高村竜平)

 すべてのひとはいずれ死ぬ。しかし死者は単純に消えていく存在ではない。死者は、死者として、先祖として社会の中に存在し続ける。社会学者の中には、物理的には存在しなくても、象徴的な基盤を持って社会に存在す…

集う人々・世界×文化(7)秋田藩における清酒の広まり(渡辺英夫)

 いまを去る400年前、当時の平均気温は今より低く、秋田に移ったばかりの常陸武士たちは、分厚く凍る水堀に城の備えを案じたに違いない。そのころ、重臣梅津政景(うめづ・まさかげ)は、秋田の領民が盛んに飲酒…

集う人々・世界×文化(6)コロナ統制下の祭りの可能性(小倉拓也)

 狂気は、正気からの逸脱であるがゆえに一般に忌むべきものとされる。しかし、人類の歴史において、狂気は社会の存立にとって不可欠な役割を演じていた。例えば古代ギリシアでは、狂気は神の働きかけによるもの、神…

集う人々・世界×文化(5)故郷喪失を小説と唱歌にみる(山﨑義光)

 1914(大正3)年夏、夏目漱石『こころ』が新聞連載(4月20日~8月11日)を終えようとしていた。その頃、ヨーロッパで戦争が始まった。第1次世界大戦である。日本も宣戦布告、秋にはドイツの租借地、中…

集う人々・世界×文化(4)ドイツ文学に描かれたウクライナ(中村寿)

 中・東欧は多民族が共存する空間、諸民族の集いの場である。しかし今、不幸な戦争の結果、諸民族が集えるはずの場所がそうではなくなってしまっている。以下ではドイツ文学を素材として、中・東欧の歴史を振り返っ…

集う人々・世界×文化(3)無を有にする言葉の力(大橋純一)

 人の集う所には必ず言葉が介在する。その言葉は本来、人や社会で広く共有されるものでもある。たとえば共通語のように、誰もがそれとわかる言葉は物事の円滑な理解・伝達に寄与するし、それこそが言語の存在理由で…

集う人々・世界×文化(2)ヘミングウェイの不条理な実感(中尾信一)

 「7月6日、日曜日の正午、フィエスタが爆発した。そう表現する以外に他の言い方はなかった」

集う人々・世界×文化(1)祇園祭と牛頭天王信仰(志立正知)

 コロナ禍の収束はまだ見えませんが、自粛していた祭りや会合が少しずつ再開されるようになりました。古今東西の「集い」について、秋田大学で文学や芸術、歴史や哲学を担当する教員がシリーズで論じます。