成瀬さん(湯沢北中)に優秀賞 いっしょに読もう!新聞コンクール
家族や友達と一緒に記事を読み、意見や感想を書く「第4回いっしょに読もう!新聞コンクール」(日本新聞協会主催)で、湯沢北中学校(湯沢市)の成瀬流奈さん(3年)が優秀賞に選ばれました。本県からの優秀賞受賞は初めてです。
コンクールは、興味を持った新聞記事を切り抜き、選んだ理由と読んで思ったこと、記事を見せた家族や友達の意見、話し合った後の自分の意見をまとめるものです。
成瀬さんは、6月14日付の秋田魁新報に掲載された「赤ちゃんにも思いやりの心?」の記事を選び意見を書きました。記事では、生後10カ月の赤ちゃんにも困っている人に同情する心が見られることを示す京都大学などのチームの実験結果を紹介。担当教員の「人間の本質は『善』だと示唆している可能性がある」というコメントを載せています。
コンクールへの応募は小学生から高等専門学校生まで計3万2774点。入賞作品は最優秀賞3点、審査員別賞1点、HAPPY NEWS賞1点、優秀賞30点、奨励賞149点でした。
本県からは成瀬さんのほか、上川大内小学校(由利本荘市)の渡部史都君(6年)と横手高校定時制(横手市)の高橋朋加さん(1年)が奨励賞に選ばれました。
[成瀬さんの感想文全文]
【(1)この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと】
私は一人っ子のせいか、どちらかというと赤ちゃんは苦手です。言葉は通じないし泣いてばかりで、どうすればよいか分からなくなるからです。だからこそ見出しを読んで、この記事にとても興味を持ちました。言葉も通じず何も分かっていない、と思っていた赤ちゃんに思いやりの心があるのだろうか、と。記事にある実験結果を読み、「なるほど、赤ちゃんにも思いやりの心や、勧善懲悪のような気持ちがあるのかもしれない」と思えました。
【(2)家族や友達など、記事を読んでもらった人の意見(母親に意見を聞きまとめた)】
私を本好きにしたかった母は、1歳になる前から、私に絵本を読み聞かせていたそうです。「桃太郎」「かにむかし」など、昔話を読み聞かせると「主人公がピンチの時は表情を曇らせ、ハッピーエンドには笑って喜んだのよ」と母。ですから母は、この記事を読み「やっぱりね、そうだと思ってた」と、推測が確信に変わったと言います。
【(3)話し合った後の意見】
母の思惑通り、私は読書が大好きになりました。もちろん赤ちゃんの時のことは覚えていないのですが、そんな小さな頃から読み聞かせをしてもらっていたとは驚きです。気付いたら本を読むのが大好きになっていたので、母のやり方は有効だったのかもしれません。この記事にあるように人間の本質が「善」であり、母が乳児の頃の私への読み聞かせで、その片りんを感じ取ってくれたとしたら、とてもうれしいです。人間の本質が善であるなら、人間の未来は明るい、ということを示唆しているように思うからです。どんなに戦いや争いがあっても、いつか必ず和解し平和を築こうとする。それが人間なんだと。私はそう信じたいです。それに赤ちゃんに思いやりの心があるなら、私は赤ちゃんを誤解していたことになります。これからは苦手と思わず、自分から進んで関わっていきたいです。優しさと思いやりを持って接したら、楽しくコミュニケーションできるはず、と自信がつきました。
(2013/12/01 秋田魁新報掲載)