[本県選挙区 候補者討論会(上)]

石井氏「アベノミクス継続を」/松浦氏「違い出せる野党必要」/西野氏「経済と国防が争点に」

(2016年6月19日 付)
石井浩郎氏
松浦大悟氏
西野 晃氏
討論会出席者
  • 石井 浩郎 氏 51 自民・現(公明推薦)
    参院議員
  • 松浦 大悟 氏 46 民進・元(共産、社民推薦)
    民進党県連代表
  • 西野  晃 氏 39 諸派・新
    幸福実現党県本部副代表

司会 秋田魁新報社政治経済部長・渡辺 歩

 ―参院選の争点は何か。

 石井 自公政権がこの3年間で取り組んできた政策全てについて県民、国民の審判を受ける。近年は国内総生産(GDP)が伸び、企業の倒産件数も減っている。本県の有効求人倍率は過去最高の1・14に上り、人口減少に歯止めをかける効果も期待できる。

 松浦 自民党政治を続けていいのかが問われる。日本には、違うことを違うと言えるしっかりした野党が必要だ。安倍政権はやると宣言したことをやらない。政府の「骨太の方針」は現実味のない目標が並んでいて期待できない。

 西野 争点は経済と国防だ。自民のばらまきで国の借金が1千兆円を超えた。マイナス金利政策は安倍政権の失敗隠しだ。北朝鮮は核開発、中国は軍拡を進めている。選挙対策としての安保法反対でなく、県民のための政策が必要だ。

 ―アベノミクスの効果が実感できていないという声もある。

 石井 まずは大企業の実績がプラスになり、大都市の景気が良くなるという順番だ。その効果が地方の下請けや孫請けにも及ぶと信じている。

 松浦 場当たり的な金融政策や株価操作に頼ったアベノミクスは限界だろう。都市と地方の格差は開いており、本県からの人口流出も拡大している。本県の有効求人倍率の上昇は、若者が県外に流出したことで求職者の母数が減っているのが真相だ。われわれは都会優先ではなく、社会保障を充実させることで地方から豊かにしていく。

 石井 若者の流出は過去にもあったことだ。仕事は確実に増えている。金融緩和や財政出動の方針は正しい。むしろ民主党政権時代の経済政策にインパクトがなかった。

 西野 アベノミクスの一部は評価できる。私たちは減税を進めて経済活動の規制を緩和し、秋田港の国際物流拠点化や玉川温泉を活用した医療特区構想を進めたい。

 ―消費税率10%への引き上げが2年半先送りされた。

 松浦 安倍晋三首相は世界経済のリスクが高まっていると言うが、先進国の中で日本だけが経済成長していない。首相はアベノミクスを成功させて増税への環境をつくると言ったが、アベノミクスが失敗している以上、増税はすべきでない。

 石井 首相は増税だけでなく、デフレ脱却も公約に掲げていた。今回はデフレ脱却が最優先されたということだ。消費税率を5%から8%に引き上げたことで消費が腰折れした経緯もあり、2年半の延期は賢明な判断だ。

 西野 自由な経済を作り上げるため、まずは消費税率を5%に引き下げ、将来的に撤廃する。

 ―社会保障費の増大にどう対応していくべきか。

 石井 生産年齢人口が減り、高齢者が増える中、出生率を上げることが大事だ。子育て支援や幼児教育の無償化に加え、給付型奨学金を創設することで教育にかかる経済的負担を減らせば第2、3子の誕生につながると思う。一方で、国民にスポーツに親しんでもらい健康寿命を延ばせば、社会保障費を抑制することができるのではないか。

 松浦 社会保障の財源確保は、国家の最優先課題だ。消費税の増税は本来、社会保障に充てる目的のはずだったが、増税分が法人減税の穴埋めに消えており国民に還元されていない。消費税だけでなく、法人税、所得税、相続税などを税制の公平性や透明性の観点から抜本的に見直し、社会保障の財源を確保する必要がある。

 西野 財源を全て消費税で賄おうとするのは間違い。この方針を進める限り、大増税は避けられない。むしろ減税政策で景気を上向かせることを最優先するべきだ。減税で経済活性化を促し、上がった税収を社会保障に充てることができる。

 ―環太平洋連携協定(TPP)の影響と対策についての見解は。

 石井 コメは輸入量と等しい量を政府が備蓄するので、需給バランスが崩れることはない。心配する農業関係者は多いと思うが、逆にTPPを利用して世界に打って出られるよう、みんなで知恵を出さなければならない。参加12カ国は国内総生産(GDP)で世界の4割を占める大きな市場。輸出していく上でも「食料自給力」を高め、農業の足腰を強めていく。

 松浦 TPP交渉ではコメをはじめ聖域が守られなかった。政府が備蓄米として買い上げるといっても、3年後には市場に放出されるから安心できない。民主党政権時代に創設した戸別所得補償制度を強固にして復活させ、持続可能な農業を構築する。日本酒をはじめ、海外で勝負できる農産品や加工品をバックアップし、外貨を稼げるようにすることも大事だ。

 石井 戸別所得補償は土地改良費を6割カットして行われたため、農家が自費で基盤整備を行わなければならなくなるなど影響が出た。

 松浦 自民党農政ではスーパー農道をはじめ過剰な公共事業に予算が使われていたので整理した。公共事業は農業振興に資することがない。

 西野 TPP参加は貿易産業を促進させる。世界の食料問題に対し、日本から質の高い食による解決法を提案していくことで世界をリードしていくべきだ。農業県として秋田が使命を果たせるよう支援したい。