新あきた紀行 イザベラ・バードの足跡をたどる

 今からちょうど140年前、英国で2冊の本が出版された。タイトルは「Unbeaten Tracks in Japan」(日本の未踏の地)。後に邦訳され、「日本奥地紀行」として刊行された旅行記だ。執筆した英国人紀行家イザベラ・バード(1831~1904年)は、1878(明治11)年6月から7カ月にわたって日本を旅し、秋田など藩政時代の姿をとどめる地方の様子をこの本に記録した。その秋田における足跡を、日本を代表する作家の島田雅彦さん(59)と平野啓一郎さん(45)がたどった。彼女の功績に新たな光を当てるのが目的だ。バードが訪れた当時の面影を探す島田さん、平野さんの目に、現代の秋田はどう映ったのだろう。140年の時空を超え、2人と旅をともにした。

島田 雅彦(しまだ・まさひこ)
 1961年東京都生まれ。83年、東京外国語大学外国語学部ロシア語学科在学中に「優しいサヨクのための嬉遊曲」でデビューし注目される。主な作品に「夢遊王国のための音楽」(野間文芸新人賞)、「彼岸先生」(泉鏡花文学賞)、「退廃姉妹」(伊藤整文学賞)、「カオスの娘―シャーマン探偵ナルコ」(芸術選奨文部科学大臣賞)、「虚人の星」(毎日出版文化賞)、「君が異端だった頃」(読売文学賞)、「スノードロップ」などがある。現在、芥川賞選考委員、法政大学国際文化学部教授。
平野 啓一郎(ひらの・けいいちろう)
 1975年愛知県生まれ。北九州市出身。99年、京都大学法学部在学中に投稿した「日蝕」により芥川賞受賞。2020年からは同賞の選考委員を務める。主な作品に「葬送」、「滴り落ちる時計たちの波紋」、「決壊」(芸術選奨文部科学大臣新人賞)、「ドーン」(ドゥマゴ文学賞)、「かたちだけの愛」、「空白を満たしなさい」、「透明な迷宮」、「マチネの終わりに」(渡辺淳一文学賞)、「ある男」(読売文学賞)などがある。