誰にも告げずに上京

(2016年3月20日 付)
酔客でにぎわう民謡酒場=1958年、東京・新宿

 昭和34(1959)年、35年と、のど自慢の東北大会で2年続けて敗れた俺に、次兄の常雄は「このへんで区切りをつけたらどうか」と言ったんだ。悔しかったな。常雄は親身になって助言してくれたんだと思うけど、芸で生きていくしかないという気持ちが固まっていた俺にすれば、引くに引けなかった。