我は「あぶらげ歌人」

(2016年12月19日 付)
毎日のように足を運ぶ関善酒店の建物の前で=12月4日

 鹿角市花輪に生まれ、19歳の時から家業の豆腐作りに携わってきました。今は豆腐店の経営をほぼ長男夫婦に任せ、花輪にある旧商家「関善(せきぜん)酒店」の建物を活用するNPO法人の理事長として、連日のようにこの建物に詰めています。

 関善酒店の主屋(しゅおく)は明治38(1905)年に建てられ、平成18(2006)年に国の登録有形文化財になりました。私や仲間が、訪れる見学者や観光客に、建物の造りや歴史を説明しています。私は現在85歳ですが、もう3年とか5年ぐらいは活躍できると思っています。

 また、短歌を長いこと作ってきました。これまでに歌集を3冊出すことができました。仙台市に拠点がある結社「東北アララギ会」に入っていて、この会の歌誌「群山(むらやま)」に、今も毎月10首投稿しています。

 日々の暮らしをありのままに詠むアララギ系に属しているので、若い頃は豆腐や油揚げを作る仕事に材を取った歌が多かったんです。そのため、後に県文化功労者になった県歌壇の重鎮からは「あぶらげ(油揚げ)歌人」と呼ばれたりしました。

 この呼び名は、私をからかうとか、ばかにするということでなく、ありのままに生活を詠んでいることを評価してくれたものだと思います。この重鎮もアララギ系の歌人だったので、同志として認めてくれたのだと理解しています。

 関善酒店の価値を後世に伝えつつ、無理せず短歌を詠み続ける。これが毎日の目標です。

 〈百歳はいづれ無理でもあと五年九十までうたを詠みつづけたい〉