ダム決壊の音が耳に

(2016年12月23日 付)
尾去沢鉱山中沢ダムの決壊事故を伝える昭和11年11月21日付秋田魁新報夕刊

 幼い頃の記憶で覚えているのは、尾去沢鉱滓(こうさい)ダムで起きた決壊事故です。昭和11(1936)年11月の寒い日の未明、花輪町(現鹿角市)の自宅で、おじいさんと一緒にこたつに当たっていたところ、「ゴーッ」という音が聞こえてきたんです。私が5歳の時のことでした。

 〔事故は昭和11年11月20日午前4時ごろ、花輪町の隣、尾去沢町(現鹿角市)にある三菱鉱業(現三菱マテリアル)尾去沢鉱山(昭和53年閉山)で発生。鉱石から金属を取り出した後の鉱滓(かす)をためておく中沢ダムが決壊して大量の泥状の鉱滓が流出し、作業員や下流の市街地住民ら362人が死亡、家屋258戸が流失した〕